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ボトルの種類と特徴・安全性

かつてはリターナブルタイプのガロンボトルが主流だったウォーターサーバーですが、現在では各メーカーが工夫をこらし、様々な材質・形状のウォーターボトルを開発・採用しています。ここでは主なウォーターボトルの種類とその特徴、安全性などについて解説していきます。

ガロンボトル(リターナブル)

ガロンボトルとは

リターナブル(ボトルを回収し再利用する)タイプのボトルを一般的にガロンボトルと呼んでいます。3ガロンサイズ(約12リットル)が主流ですが、メーカーによっては5ガロンの大容量ボトルもあります。
使用後の空きボトルはメーカーが回収して洗浄し再利用するため、ボトルの原材料には複数回の使用に耐えられる硬質素材が使われます。硬質プラスチック(ポリカーボネイト)製のものが多いですが、中にはPET素材で作られているものもあります。

ガロンボトルの安全性

ガロンボトルの安全性に関してはしばしば指摘されます。
具体的にはポリカーボネートの原料として使用されるビスフェノールAの溶出があるのではないかという点、また水を使用するごとにボトル内へ入り込む外気による水の品質劣化という点が挙げられます。

■ビスフェノールAの問題■
硬質プラスチックの原料となるビスフェノールAは、大量に取り込んだ場合には人体に対して毒性が強く、発がん性なども確認されている化学物質です。プラスチック製造過程で反応しなかったビスフェノールAが硬質プラスチックに微量含まれるとされていますが、この残留ビスフェノールAがボトル内の水へ移行するのではないかという指摘があるのです。
ただしビスフェノールAは高温加熱時に溶出しやすくなるとされているため、ウォーターボトル自体を加熱するようなことがない限り溶出はほぼないと考えて良いでしょう。(ウォーターサーバーの温水はサーバー内部のタンクで加熱されるので問題ありません)

■ボトル内へ入り込む外気による水の品質劣化の問題■
ガロンボトルは硬質素材であるため、水を使用すれば当然その分空気が入り込みます。この空気がクリーン処理されていないと、外気中の常在菌によってボトル内の水が汚染され、雑菌が増加するという指摘があります。これについてはエアレスタイプボトルを扱う業者が実際に実験をし、雑菌が増えることを確認したというデータを公表していたりもします。
まず雑菌が増えやすい水ですが、天然水やRO水にミネラルを添加したタイプの水は雑菌のエサとなりやすいミネラル分が含まれるため、雑菌が増えやすい環境となります。その点RO膜で処理した純水は雑菌のエサが含まれないため、雑菌が増えにくいと言えます。
現在ではリターナブルガロンボトルを使用するウォーターサーバーであっても内部に抗菌機能をつけているものが多くなりました。具体的には外気取り込み口にフィルターを付け雑菌そのものを除去するもの、内部タンクに抗菌剤やUVランプを設置し抗菌・滅菌処理を行うもの、定期的に高温水を循環させクリーニングする機能を搭載したものが挙げられます。
また、ボトル内に空気が入り込むのは何も硬質ボトルだけではありません。使用ごとにボトルやパックが収縮するタイプのものであっても、内部タンクに空気が入り込むタイプの場合、収縮したボトルやパック内にも少量の空気が入り込みます。これらの空気が品質劣化させる可能性もありますので、「収縮タイプだから絶対安心」とも言い切れないのです。
日本人は衛生に対する観念が非常に高いため、メーカーもそれぞれ努力をし、雑菌繁殖の少ないウォーターサーバーを開発しています。現在ではほとんどのウォーターサーバーで対策がされていますので大きな心配はいりませんが、気になるようでしたら契約前にメーカーへ確認すると良いでしょう。

大容量ペットボトル(ワンウェイ・収縮タイプ含む)

大容量ペットボトルとは

ワンウェイタイプのペットボトルは、市販の飲料水ペットボトルと同じ素材で作られている、使い捨てタイプのボトルです。水を使用するごとにボトルが縮むタイプのもの、そうでないものがありますが、どちらも使用後は簡単につぶして捨てられるようになっています。
ボトルが収縮するタイプであっても、使用中に少量の空気がボトルに入り込みます。従って純粋な真空状態を保つことはできません。
容量はガロンボトルと同じく12リットルのものが主流となっています。

大容量ペットボトルの安全性

ペットボトル容器が広く利用されていることからもわかる通り、PETの安全性は高いものと考えられます。通常使用の範囲で人間の安全性に問題が生じるようなことはありません。
水を使用するごとにボトルが収縮し、空気が入りにくいことをうたうメーカーが多いのですが、ペットボトルの性質上から言っても完全な真空状態は保てません。使いきるまでに少量の空気は侵入します。

ウォーターパック・ウォーターバッグ(バッグ・イン・ボックス含む)

ウォーターパック・ウォーターバッグとは

ウォーターパック(ウォーターバッグ)とは、ビニール素材の袋に水を充填したタイプのものを言います。袋にコックや排出口などの器具がついているものと、器具がなくニードルなどの専用器具を突き刺すなどして使用するものがあります。バッグ・イン・ボックスは排出器具つきのバッグが段ボール箱に入ったまま使用できるようになっているもので、箱についているミシン目を繰り抜いてそこから器具だけを出し、箱に入ったままサーバーへセットするタイプのものです。

ウォーターパックの安全性

ウォーターパックはポリエチレンなどの安全な素材で出来ていますが、その性質上ニオイの強いものと一緒に保管すると水にニオイが移りやすかったり、紫外線による品質劣化といった点もあります。そのため保管は冷暗所で箱から出さず保管するようにします。その他、中には水にいわゆる「ビニール臭」が移って臭うといった苦情が見られることがあります。これは有害物質が水に溶けだしているわけではなく、素材特有の臭いです。
ウォーターパックは使用開始~使用終了までパック内に空気が入り込むことは非常に少なく、外気による水の汚染が極めて少ないと見られています。